えっ。 ハッと目を見開く。 今のは。 微かに震える手。 あたし―― あたしは……あたしは……。 あたしは…… ――比奈さん―― 浮かんでくるのは柔らかな笑顔。 そうだ。 そうだよ。違う。 この手は違う。あたしの欲しい手じゃない。 小宮に合わせるとか、貞操を守るとかじゃなくて。 違う。叫んでる。こんなにも強く。 あたしの心が―― 全身が―――― 叫んでるんだっ!!