「どうしたんだよ、しけたツラして。これからパァ~ッと遊びに行かね?」
 
 
そう明るく言いながら近付いてくるイツキに心底ホッとした。
 
あたしと同じ遊び人。気軽に遊んで、エッチできる仲間。
 
「大丈夫。目にゴミが入っただけだよ。うん、遊びに行こ! 今日はどこにでも付き合うよ~」
 
涙を拭ってあたしも笑ってみせた。
 
そうだよ。こういう時はパァ~ッと遊ぶ!
それがあたし流。今までずっとそうしてきたじゃん。
 
 
「そうこねぇとな! ほら、涙は拭けよ。ゲーセンにでも行こうぜ」
 
イツキの腕が肩にまわる。
引き寄せられ、イツキの胸に顔をうずめる。
 
緩く締められたえんじ色のタイに涙が吸い込まれ、気持ちがスッと軽くなる。
 
 
「うん、いこっか」
 
 
微笑みながら見上げて言った。