「後ろ姿が見えて……。もしかしてさっきの見てた? あの、僕、きちんと」
「もってもてじゃん、小宮。良かったね! あんな可愛いコ、振るなんてもったいないよ。付き合っちゃいなよ!」
できるだけ明るく言ってみた。なのに、空気が凍った。
「え……」
表情をなくす小宮の顔から、僅かに目を逸らして言葉を続ける。
「だって、お似合いじゃん。純真そうで小宮にピッタリだよ」
大丈夫。震えてない。
「応援してるから、あたし。あ、でも、彼女できたらもうあたしと気安く話さない方がいいよ。彼女を大事にしてあげなね」
大丈夫。……じゃないや。頭が真っ白になってきた。
どうしよう。まるで自分が喋ってるように感じない。
誰かがあたしの声で喋ってるみたい。
口が勝手にスラスラと動きだした。

