下校する生徒達のざわめきの中、昇降口に辿り着いて自分の下駄箱を探す。
一刻も早く外に飛び出したかったけど、足がふらついて立っていられない。
下駄箱に寄りかかって、少し息をついた。
どこに行けばいいんだろう。あたしの靴、どこだっけ?
頭がまわらない。
なんとか自分の名前の付いた箱を見つけて、靴に履き替えた。
ふらりと校舎を飛び出した直後。
「比奈さん!」
小宮の声が、あたしを呼んだ。
大丈夫。反射的に止まった足は震えてるけど。涙は出てない。
笑っとけ、あたし。「ドンマイ♪」って笑っとけ。
だって泣くなんておかしい。自業自得じゃん。今更じゃん。
小宮が困っちゃう。
笑って振り返るんだ――
「なに、小宮?」
オッケー。なんとか笑えた。

