おいしいチェリーのいただきかた☆

 
下校する生徒達のざわめきの中、昇降口に辿り着いて自分の下駄箱を探す。
 
一刻も早く外に飛び出したかったけど、足がふらついて立っていられない。
 
下駄箱に寄りかかって、少し息をついた。
 
 
どこに行けばいいんだろう。あたしの靴、どこだっけ? 
頭がまわらない。
 
なんとか自分の名前の付いた箱を見つけて、靴に履き替えた。
 
ふらりと校舎を飛び出した直後。
 
 
「比奈さん!」
 
 
小宮の声が、あたしを呼んだ。
 
 
大丈夫。反射的に止まった足は震えてるけど。涙は出てない。
 
笑っとけ、あたし。「ドンマイ♪」って笑っとけ。
 
だって泣くなんておかしい。自業自得じゃん。今更じゃん。
小宮が困っちゃう。
 
 
笑って振り返るんだ――
 
 
 
「なに、小宮?」
 
 
 
オッケー。なんとか笑えた。