「あ、噂の浜路さん。そこにいたんだ~? ごめんごめん、気付かなかったよ」
「あたし達、浜路さんみたいに堂々とできないからさ~。コソコソしちゃってごめんね~」
「堂々と不純異性交遊とか? あはははっ、できないわそりゃっ!」
浴びせられる嘲笑に身がすくんだ。
今度は真っ向からぶつけられる悪意。体が動かない。
「別に、言いたいことなんてないよ? あたし達はただ、小宮君が変な女にひっかからなくて良かったな~って言ってただけで」
「そうそう。どうせなら、潔く身をひいた方がいいんじゃない? とは思うけどね~」
「小宮君まで変な目で見られるようになるじゃん。身の程をわきまえろっての!」
声が、出なかった。
頭が殴られたようにクラクラして、息が苦しい。胸が痛い。
後ずさった足が自然と駆け出す。その場を逃げ出すしかなかった。
もう耐えられない。
イヤだ。聞きたくない――
女子達の前を走りぬけ、くすくす笑いを背後に振り切って昇降口に向かった。

