「ふーん。あの小宮がそこまでするなんて、相当勇気出したんだねー」
 
パンを食べ終わった麻美はジュースにストローを挿しながら言った。
 
「どうしよう麻美。これからどんな顔して小宮と会えばいいのかなぁ?」
 
あたしもジュースパックにストローを突き刺す。でもうまく挿し込めなくて何度もプスプス突っついた。
 
「穴に当たってないよソレ。ま、いっけどさ。小宮は付き合ってくれとか何にも言わなかったんっしょ? じゃあ今まで通りでいいんじゃん?」
 
「そ、そうだよね……。告白も忘れていいからって言ってたし……」
 
友達関係を望んでる、ってことなんだよね?
 
でも……。
 
 
俯いてた顔をパッと上げて、胸のわだかまりをぶちまける。
 
 
「でもさでもさ! あたしだって、今まで通りデートとか、気軽にしたいよ? 小宮とはずっと友達でいたいよ?」 
 
でも本当に今まで通りかっていうと……。
 
「もう小宮の修行する必要もなくなったわけだし、エッチもしないんじゃ、あたし、どうやって小宮を誘えばいいわけ? 全然今まで通りじゃないじゃん!」
 
 
言いながらブスッと突き落としたストローがようやく穴に入ってくれた。
 
ズーッとジュースを吸い上げる。