「比奈さん、ホントに僕でいいの……?」
 
間近にある長い睫毛が震える。潤んだ瞳があたしを見つめる。
 
いいも悪いも……。
  
「あたしが誘ったんだからいいに決まってるじゃん」
 
当然とばかりにあたしは答えた。
 
どうしてそんなコト訊くんだか。小宮ってば律儀すぎ。
 
「あったかくて気持ちいいもん、小宮。ずっとこうしてたいよ?」
 
にこっと笑って言うとますます赤くなる小宮の顔。
 
それからぎゅっと抱きしめられた。
 
 
「僕も、ずっとこうしてたい……」
 
 
火がついたみたいにかぁっと体が熱くなった。
 
 
それホント、小宮!?
 
 
どうしよう。嬉しくてなんかムズムズする。たまらずぎゅっと小宮を抱き返す。
 
すると伝わってくる心臓の音――どくどくどく。
 
すごい速さ。でもあたしも同じだ。
 
 
どくどく。どくどく。
 
 
もっと感じていたい。
 
小宮の音と温度に、もっと包まれていたい。