脱衣場のドアから聞こえるシャワーの音。
小宮が体を洗ってる。
このドアと、浴室のドアの向こうには今、無防備な裸の小宮がいるのだ。
あたしもそこに入って行きたいけど、浴室に立て篭もられると厄介なのでじっとガマンガマン。
やがて、浴室のドアを開く音が聞こえた。
続いてタオルのわしゃわしゃという音も。
落ち着いて比奈。大丈夫。これなら絶対小宮も逃げ出さない。
大体、女の子にここまでさせる小宮が悪いんだからね!
一度言ったことを覆そうだなんて男らしくないよ、うん。
あたしが今まで色々やったげたからガチガチ症を克服できたのに、それを忘れてあたしから離れようだなんて酷いと思うんだよね。
最後まできちんとやり通してくれないと。
も、もちろん。約束は初体験までだけど、その後もエッチしたいって思ってくれればいくらでも付き合ってあげちゃうよ?
小宮は特別大事な友達だから、遊ぶ約束は最優先だよ、もちろん。
だから万が一、カ、カノジョができても、小宮が一緒に遊びたいって言ってくれれば……。
………………。
言うわけないか。生真面目な小宮に、それはないよね……。
カノジョができたらカノジョが一番だよね。あたしのことなんて……。
一度エッチしただけの、女友達になっちゃうんだ。