舞い上がる足元のステップを抑えつつ、小宮を部屋に案内する。
顔はあくまで清楚に、間違ってもほくそ笑んだりしないように、がっちりコントロール。
主演女優賞ものだよコレ。
小宮が部屋に上がるのを見届けながら、後ろ手にドアの鍵を閉めた。
こっそりチェーンロックなんかしちゃったりして。
そこまでしなくても、ママは帰って来ないハズだから大丈夫なんだけどね。
新しく雇う人の面接やらで店に入り浸りなんだ。
「じゃあ、服探してくるから、小宮はシャワーでも浴びてて?」
何気ない風を装うのって結構難しい。
笑顔になりすぎないよう注意しながら言ってみたけど、小宮は少し困った顔をした。
「そこまではいいよ。服を着替えるだけで……」
「だって雑巾臭いよ、小宮。シャワー浴びてサッパリした方がいいんじゃない?」
「うっ…………そんなに臭う?」
「臭う臭う。シャンプーとか適当に使っていいから」
バスタオルを渡しながら言う。
最初は遠慮してた小宮だけど、臭いが気になりだしたらしく、とうとう最後には、
「じゃあ、ちょっとシャワー借りるね」
と浴室に向かっていった。
うふふふ。作戦は順調。順調すぎて怖いくらい。

