「助けて比奈さぁぁ~~~~んっ!!」
 
 
小宮の悲鳴で、物思いに沈んでたあたしはハッと我に返った。
 
いまだもみくちゃにされてる小宮。蝶ネクタイが外れてる。
 
うひゃっ。なんて恰好に。
 
 
「あらら。大変な人気ねカレ」
 
いつのまにかお座敷の前にメイさんが立っていた。
 
チャーミングな口元を綻ばせてにこにこ笑ってる。
 
「助けに行かなくていいの比奈ちゃん? このままじゃカレ、お持ち帰りされちゃうよ?」
 
そう言われて弱気になりかけてた自分に気付く。
 
 
そうだ。まだあたしは小宮と繋がってる。
 
まだはっきりと言われたわけじゃない。小宮のチェリーはまだあたしのモノ。
 
 
それだけは絶対……。
 
 
 
 
絶対。
  
 
 
 
 
ぜぇぇっったいっ!! 
 
 
  

他の女には渡さないっ!!