すっかり日が暮れた帰り道。
 
まだまだ明るい商店街を、部活が終わった小宮とあたしは、久しぶりに肩を並べて歩いた。
 
 
 
「比奈さん、いきなり居るんだもん。びっくりしちゃったよ」
 
「あははは。ごめんね。ランニングしてる姿が見えたから、ちょっと気になっちゃって。あたしこそびっくりしたよ~。いきなり空手部なんて入部してるんだもん、小宮」
 
さっきから愛想笑いが止まらないあたしは、ここでもまたわざとらしく笑って言った。
 
なんだか、さっきからソワソワ落ち着かないんだ、あたし。怪しい人みたい。
 
小宮と一緒に帰るの、すんごく久しぶりだからかな。
 
小宮って、学校では用事でもないと話しかけてきたりしないから。こんなに気安く話せるのはやっぱり下校の時しかないわけで。
 
バス停までのほんの数分の距離だけど、こうして話せるのがめっちゃ嬉しかったり。