「小宮……? 随分仲良くなったんだな」
 
あちゃっ。優等生嫌いが発動してる。
 
不機嫌そうにしかめられたイツキの顔をおずおずと見上げた。
 
 
「そうでもないよ? 普通普通」
 
言い訳してるっぽくていたたまれない。
 
その場を去ろうと足を動かした。でも。
 
 
「週末、クラブ行くか?」
 
 
イツキに問いかけられて足を止めた。
 
 
「ごめん。しばらく夜は遊べないんだ。店の人出が足らなくって。あたしも店を手伝ってんの」
 
すかさずお断り。
 
これは本当だからしょうがない。今、平日休日もほぼ毎日手伝ってる。
 
お客さんが少ない時以外はお店に入り浸り。
 
土曜日なんてピークだから、遊ぶのなんて絶対ムリなんだよね。
 
 
「そーかよ、ちぇっ。たまには手伝いなんかサボって来いよ?」
 
「あはは。息抜きしたくなったら行くよ。じゃあね~」
 
  
なんとなく気まずいカンジを引き摺ったまま。
 
手を振ってイツキと別れた。