櫻井「…やっと来た」

うわー、待ってたよ。なんでいるの。早く部屋に行きなさいよ。

『お、おう…』

櫻井「…こっち来い」

腕を引っ張られて2階へ続く階段の横に連れて来られた。普通に痛いです。
壁と櫻井に挟まれ、何もできない状況。だがここで折れる私じゃないよ?

『嫉妬かな?』

櫻井「まあ、うん」

図星をつかれ、少し落ち着いた様子。
私の目を見ないのは仕方ないかな。

『羨ましいなら言ってくれればいいのに』

櫻井「別に羨ましくなんか…」

あーもう。素直じゃないねぇ。

『涼介』

櫻井「…!!」

下の名前で呼んだけなのに何でこんなに照れてるんですかね。可愛いからいいけど。…まあ、言った本人も少し恥ずかしいんですが。

『涼介(ニコッ』

櫻井「…凛音」

楽しくなってもう一回下の名前で呼んだらこっちも下の名前で呼ばれた。
櫻井の気持ちわかるかも。私、今すっごい顔赤いだろうなぁ…。好きな人に下の名前で呼ばれるって、こんなにも恥ずかしくて嬉しいものなんだね。

『一応言っとくけど、皆の前では櫻井って呼ぶから』

櫻井「わかってるっつーの。…あ」

『ん?』

櫻井「キスしたい」

…このキス魔が。そういうことは中学入ってからやれや。

『はぁ…キスはダメ。抱きしめるだけならいいよ』

櫻井「別に減るもんじゃないしいいだろ」

『そういう問題じゃ…ん』

唇に柔らかいものが当たる。2回目だからすぐわかった。キスされてる。
なんでこいつは人の許可なしにキスするかね。いや、嫌じゃないよ?どっちかというと嬉しいし。

『…んっ』

初めてのときより長いキス。舌入れられないだけまだマシかな。