嘘つき少女

水川「神村」

『ん？(ニコッ』

いつもより少し冷たい声で呼ばれたので少し驚きながらも営業スマイルで水川のほうに体を向けた。

水川「西園たち、先行っちゃったよ？俺たちも行こ」

元に戻った水川の声にホッとしながら皆が集まっているほうを見てみると、確かに涼華と歩夢がいた。先行くなよ…。

『うん、そうだね(ニコッ』

少し水川と離れて歩くか。近すぎるとバレちゃうからという理由でね。本当はただ単に一緒に歩きたくないだけです。

未玖「櫻井ー」

坂巻が櫻井に話しかけてるのを横目に私は水川と他愛も無い会話をしていた。
だって涼華たち、大島たちと話してるんだもん。絶対あそこに行きたくない。

未玖「皆のところに行かないのー？」

櫻井「おう」

未玖「えー、一緒に遊ぼうよー！」

知ってるか？櫻井は私同様一緒という言葉が大嫌いなんだぜ？

櫻井「遠慮しとく。俺はここで休んでるわ」

未玖「どこか悪いのー…？」

櫻井「…朝から調子悪くてな」

未玖「えっ、ほんと？！大丈夫？！」

こいつ完全嘘ついてる。だって朝から私を抱きしめるぐらいだもん。…思い出しただけで恥ずかしくなる。

櫻井「大丈夫だ」

夏樹「おーい、未玖ー！」

大島が手を振りながら坂巻のところに駆け寄ってきた。タイミングよすぎだろ。

未玖「…。夏樹ー、どうしたのー？」

今一瞬坂巻の顔が歪んだのは気のせいじゃないな。まあわからなくもないが。