先生「時間がまだあるので、これから自由時間にします」

未玖「やったぁ!」

美咲「一緒に遊ぼうねー!」

うわ気持ち悪。一緒という言葉でしか団結できないお子様はあっちに行ってくれませんかね、というか団結すらできてない気がする。
そもそも自由時間って言葉があまり好かん。そういう区切りられた感じというのが昔から嫌いなんだよね。
4年生のときにプールで自由時間を設けられた覚えがあるんだけど私は普通に泳いでたよ。そして6年になって自由時間から練習時間に名前がリニューアル。名前変えても意味同じだよバァカ。

先生「10分後にまたここに集まってくださいね。それでは自由時間です」

先生の合図と共に皆が動き出した。仲良い同士で集まっているのが大半だが、ぼっちの奴らもいる。うわー、昔の自分見てるみたいで嫌だわー。
ぼっちを貶すわけではないがやはりぼっちは惨めに見える。上辺だけでも仲良くしようとする気すらなくても上手くやればいいのにさ。

それは置いといて…。今私は非常に悩んでおります。涼華たちの所に行くか水川の所に行くか。涼華たちといたほうが気が楽なんだけど、やっぱ彼女として水川の所に行くべきなのかな…。

水川「神村(ニコッ」

噂をすれば…。満面の笑顔で話しかけるのやめてください。一緒に行こうオーラがヤバいっす。

『水川君!』

私は嬉しそうに返事をした。全然嬉しくないです、さっさと散れ。

涼華「ちょっとー、凛音は私たちと遊ぶんだからねー」

気がつけば涼華が私の腕を掴んで頬を膨らましていた。うん、まあまあ可愛いな。リスみたい。

歩夢「だったら4人で遊べばいいでしょ」

涼華「わっ」

歩夢が涼華を引っ張って私から引き剥がしてくれた。ありがたやー、ありがたやー。

水川「それもそうだね。じゃ、行こうか(ニコッ」

こいつ絶対不機嫌だ。目が笑ってない。

はぁ…くだらね。
視線を他の方へ移すと櫻井が木陰で休んでいるのが見えた。

櫻井「…」

うーむ、やはり櫻井だよな。水川とは比にならないわ。私はバリバリの櫻井派です。

櫻井「…!」

『(ニコッ』

どうやら櫻井がこちらに気づいたようなので営業スマイルしてやった。これが私なりの挨拶さ。凛音挨拶と呼ぶがいい。

櫻井「…(パクパク」

私に何かを伝えようとしている…?
口の動きからして…

ばーか

口ぱくでばーかってベタだなお前!あとよくあるのは頑張れ、とか?少女漫画の読みすぎかしら。

少しイラっときたのでお返ししてやりますか。

『…(うっせ』

女っぽくない?知ってますよ。うっせとか口ぱくで言うものじゃないですね、はい。

櫻井「くくくっ…」

櫻井がお腹を抱えて笑っている。私なんか面白いこと言った?うっせって言っただけなんだけど。

水川「…」

櫻井が笑っていた原因は水川が櫻井に嫉妬していたからだなんて気づくわけなかった。