嘘つき少女

今思い出したんだが、今日から私は水川の彼女のふり…まあ、彼女なんですけどね。水川の彼女として振舞わなければならない。はあ、余計心に負担がかかるんですけど。

櫻井「どした?」

『いやぁ、水川のことでさ』

櫻井「お前ならなんとかなるだろ」

『んー、そうだね』

偽りモード全開でいきましょうかねぇ。わざと仲良くして櫻井に嫉妬させるのもいいかも。ふふっ、悪戯のバリエーションが広がるわぁ。

櫻井「本当の彼氏は…俺だしな(ボソ」

『へ?なんか言った?』

櫻井「い、いや。なんでもねーよ(ニコ」

おっふ。その笑顔反則ですおっふ。不意打ち厳禁ですからね。

『じゃあ、もう行くわ。皆が起きる頃だろうし』

櫻井「あ、待て」

右腕を掴まれ、反射的に振り返る。
私の髪が大きく揺れ、光に照らされた。昔から髪のサラサラ度には自信があるのさっ。どうでもいいか。

櫻井「しばらくこうすることできないと思うし…許してくれ」

櫻井はそう言うと私の腕を引っ張って抱き寄せた。
えぇー、こいつマジなんなん。小学生の皮をかぶった中学生かよ。…怖いなそれ。
まったく、こいつのやることは私の予想をはるかに上回るから困るものだわ。私の身にもなれっつーの。

『…許すとか許さないとか、そんなの関係ないでしょ』

櫻井「そうか?別にどっちでもいいんだよ。…表面上だけであるが、あくまでお前は水川の彼氏。そう簡単に近づけねぇだろ?」

『そうだね。あんたの知らないところで水川が私のこと抱きしめたりしちゃうかもだよ?(ニヤッ』

まあ…実際にやられたわけですが。

櫻井「はあ?んなの許さねーよ」

うん、あのことは絶対に言わないようにしよう。水川が違う世界の者になってしまうぜ…。

『そう言うと思った。はい、もう離してねー。さすがにヤバイから(ニコ』

パッと櫻井から離れ、笑顔でそう言った。

櫻井「ん。じゃあまた後でな」

『ばいばーい』

櫻井に別れを告げ、急ぎ足で203号室に向かう。皆起きてなければいいんだけど…。

ガチャ