廊下に出ると冷たい空気が私を包み込んだ。朝も寒いな…。

周りを見渡してみるが、あいつの姿は見えなかった。うーむ…やはり早すぎたか…。

櫻井たちがいる部屋、210号室に向かう。朝日が照らしている廊下はとても静かだった。こういう朝も嫌いじゃない。いつも落ち着く暇もないくらい慌ただしいからね…。

あったあった、210号室。

『…』

しばらくの間ドアの前に突っ立っていようかな。いや…壁に寄りかかっていようか。

ガチャ

櫻井「ふぁーあ、よく寝たぁー」

突然のドアの開く音にびっくりして顔を上げると櫻井がいた。
こいつ…私と同じぐらい廊下が好きなんじゃねぇの?

櫻井「あれ、神村じゃん。おはよ」

『おはよ』

櫻井「起きるの早いな、何時に起きた?」

『…5時』

櫻井「早。ってことはお前、4時間しか寝てないの?」

『うん、そういうことになるね。けど、そんなに眠くないよ』

櫻井「ふぅん。ま、俺も30分しか違いはないけどな」

けど30分って私にはとても大きな時間だ。1分1秒でも睡眠時間を大切にしたい凛音さんですから。
正直言うとあと8時間は寝れそうだわ