寄木細工体験が終わり、皆自分たちの部屋へと戻って行った。

体験中、水川とアイコンタクトを交わすのがとても不快で仕方がなかった。何、全国のカップルはこんなことしてんの?だったら私彼氏作らないよ?作る気もないけどさ。

水川「じゃあな、神村」

『うん。じゃあね』

一生帰ってくんな。

櫻井「お前…水川とやけに仲良くね?」

聞こえてきたのはあの人の声。やっぱこいつの声聞くと落ち着くな…。
告白してきたのがこいつだったらいいのに。なんてね。

『…そう?別に私が水川と仲良くしようがしまいがあんたには関係ないよね?』

櫻井「…告られたのか?」

何この質問だけで成り立ってる会話。質問に答えてないよね。

『さあ…どうだろね。秘密』

櫻井「そうかよ」

少し怒っているような口調。私、怒らしちゃった…?

櫻井「…」

『あ…』

無言で去っていく櫻井を止めようとしたが、ここで止めて何になる?
本当のことを言わずに偽りの笑顔を浮かべていたくせに、相手が去ってしまったら止めようとする。勝手すぎるよ。
めんどくさいやつだって思われちゃう。
けど…そばにいてほしい。
私、独占欲強いのかな?

好き。あなたが…好きなんです

…なんてね。部屋に戻ろうか