歩夢「あ、もうそろそろで夕飯の時間だ!並ぼ!」

ナイス歩夢。お前のこと少しは見直したぞ。少しな。

『そうだね』

でもなぜに部屋の前で並ばないといけないんでしょうね、先生たちふざけんな。
今更言うのもあらだけど坂巻たちがうるせぇ。涼華以上にうるさい。
上辺だけでよくあそこまでやれるよね。逆に尊敬するわ。

未玖「それじゃあ行こー!」

超疲れる。もう帰りたい。

『…あ』

櫻井「…!」

階段のところで鉢合わせ。櫻井と目があってしまった。
別に喧嘩してるわけじゃないけど、なんか気まずい。私が距離を置いてるだけかな…?

未玖「あれ、櫻井たちじゃん!偶然ー」

いや同じ階にいるんだから偶然もなにもねぇだろ。
そうツッコミたかったがやめといた。

櫻井「おう」

うわ、興味なさそー…。あれか、坂巻なんてそこら辺にいる鳩みたいなものか。あ、鳩って幸運を呼ぶんだっけ?じゃあダメか。カラスでいいや。

美咲「未玖ー。早く行こー」

未玖「ん、おっけー」

やべえ超上辺くさい。消臭剤くれ。

はぁ、アホらし。早く行こ。遅れたらまずいし。1番後ろにいるってだけでもあれなのにさ。遅れたらまずいっしょ。

『…』

櫻井「…」

…また櫻井と目があった。けど知らんぷりよ。知らんぷり。あいつなんて見てないわ。

櫻井「なんで避けるんだよ…」

櫻井が小さな声でそう言っていたなんて私が知るはずもなかった。