嘘つき少女

*櫻井side*

今、銭洗弁天に続く洞窟を、神村と歩いている。ひんやりしていて気持ちいい。やっぱ洞窟は涼しくなくちゃな。まあ、距離は短いけど。

『…』

こいつ、平気そうな顔してるけどほんとはまだ疲れているんだろ。どーせ、皆に迷惑かけないように…とか思っているんだろうな。

神村は優しい。
よく周りの奴らを見下したりしているが、本当は優しいんだ。
仕方ないからとか思っていても、迷惑かけないようにしないとって心の底では思っている。

また、周りから嫌われないように、変な目で見られないようにと、いつも自分を偽っている。どんなときでも笑っていて、誰にでも好かれるように。
俺はそんな神村が大嫌いだ。優しいから、優しすぎるからではない。
努力をしていても、周りにその努力を認めてもらえないあいつが嫌いなんだ。
あいつ自身、努力をしているとは思っていないんだろう。だって、それが彼女にとって当たり前だから。

神村のことをわかっているような口ぶりだが、わかるんだ。
俺も、あいつと同じだから。

…あそこまでじゃねぇけどな。