嘘つき少女

クラス全員揃うと、バスのエンジンがかかった
もうそろそろで出発するんだな

周りの奴らは夜どうだったー、とか二日目の予定について話している。だが、あいにく私は誰かと楽しく話すような気分じゃない。櫻井とも話していないし、こいつからも話かけてこない。たぶん気を使ってくれているのだろう

暇なので、窓の外を眺めていた
この旅館には一生来ることはない、と考えると今のうちに目に焼き付けておこうという気持ちになる。別にいい思い出なんて1個もないのに
なんてことを考えてるとあっという間に時間が過ぎ、出発の時間になった

バスガイド「それでは出発しまーす」

バスガイドさんの合図でバスが動き始めた
旅館から出て、ゆっくりと左折する

ちらっと隣の方を見てみたら櫻井と目があった

『…

櫻井「んだよ

『なんでもない

本当になんでもないです。まあ、少し話したいと思ったけど