ユーフィー
結局誰も助けてはくれなかった。
赤宮くんはおろか。
岳山のみんなの足元にもおよばない。
お弱い。
少しだけ期待してい
私がバカだったんだ。
相手はあの、赤宮くんよ?
勝つことは息をしているのと
同じことだって言っている人が
負けるはずなんてないよね。
なにを私は期待したんだろう。
みんなの目に期待してしまったのかしら。
きっとこの人たちなら
赤宮くんを止めてくれるって。
どこかでそう期待したんだろう。
こんな期待なんかしたら
切なくなるだけなのに。
私は何も考えず
赤宮くんの言うことを
聞いていればいいのに。
私はこうして深く闇に沈んでいくんだわ。
心の中で思っているのに。
助けてって思っているのに
口には出せない。
誰にも届かない。私の本当の気持ち。
だけどもう誰も助けてはくれない。