気持ちの交差

そんな事を思いながら教室の扉を開けた。

 教室に入ると、皆それぞれの話に夢中で、私に気付きもしない。

私は無言で自分の席に着いた。

一応隣の席の人には挨拶をする。

「初めまして。神崎奏です。宜しく。」

最後にペコリとお辞儀をする。

すると、今まで話していた向こうも此方を向いて笑い掛けて来る。

「俺、霜月 冬弥(しもつき とうや)!宜しくな!!」