あの日から、嫌という程突っかかってくる火竜達をあしらいながら、私は夜の街へと出かける日々を過ごしていた。



夜の街、と言っても。

昼はただの商店街のはずの繁華街。



この繁華街は、夜になるとまるっきり昼とは違う世界になる。



まるで、2面を持った大人の世界だ。





そんな繁華街を、黒いパーカーを羽織りブラブラと歩く。

時たまフラッと裏道や脇道に入り、火竜の下っ端達がいないか捜索をしていた。




今の所、成果は上々。



彼らが私を信じると言って、ゲームが始まってから1ヶ月。



既に、私(黒)の駒が優勢を極めていた。



……面白くない。



対策も、5人以上で歩かないことぐらいで。


それと言って…例えば、鉄パイプやらナイフを持つやら。


武装していれば、心置きなく殴れるのに。



素手の相手となれば、私もそこらへんは手加減しないといけないことは理解しているし。



そのこともあり、余計面倒。