ボックス席にみんなで座ると、営業課長のものだというウイスキーのボトルが置かれる。

「今日は、了解済み」

と、高野主任。

おしぼりを渡されて、飲み物を訊かれたけど、考えるのも面倒で、みんなと同じ水割りにしてもらう。

私と同い年位の女の子の

「え~!今日、塚本さんは来られないんですか!?」

の声が、やけに頭に響く。

コースターに置かれた水割りを、口に含む。

あ~、やっぱり美味しくない・・・

父親に連れられて行ったスナックで、初めてウイスキーの水割りを飲んだ。

たまたまかもしれないが、その日は悪酔いしてしまい、それ以来、ウイスキーが苦手になった。