塚本さんは、正に『気遣いの人』だ。

気の利かない私としては、尊敬してしまう。

「これをきっかけに、塚本さんと、付き合うようになっちゃったりして!」

尚子さんがニヤニヤしながら、私を見る。

「はっ!?何言ってるの?」

目を見開いて、尚子さんを見る。

「え~!だって塚本さん、沙映に優しいじゃん!二人、すごくいい雰囲気だよ」

「塚本さんは、みんなに優しいです。それに私なんか、塚本さんに釣り合いません」

私は、焼酎ロックをグイッと一口飲む。

「確かにみんなに優しいけど・・・でも、沙映といるとなんか楽しそう。塚本さんの“素”が出てるって感じ」

尚子さんは、さらに食い下がる。

「尚子さんの言ってる事、私にはよくわかんないけど・・・私から見れば、尚子さんの方が仲いいし、美男美女でお似合い!」