キスの意味


土曜日、今日、塚本さんと一緒に千晶の会社の展示会に行く。

白い雲が、青い空にプカリと浮かぶ。春の清々しい風が吹き、落ち着かない私の心を柔らかく撫でてくれるようだった。

千晶から連絡をもらってからすぐに、塚本さんを展示会に誘った。塚本さんは「楽しみだ」と、OKしてくれた。

最初は、いつものように日曜日に展示会に行こうと思った。

でも……ずっと、千晶の言葉が引っかかっていた。

『誠実に私と付き合う』結果が、私と塚本さんの今のこの距離感だとしたら……

それを縮める事ができるのは、私だけなのだ。

焦っているつもりはない。ただ、塚本さんにもっと近付きたいだけなのだ。

塚本さんに彼女がいると、勘違いしていた頃。

自分の想いに、気付かないようにしていた。それでも、認めてしまえばせつなさと共に、あたたかい気持ちも溢れてきた。

それまで見ていたものが、全部キラキラして見えた。

諦めなければいけないはずだった想いを、手放さなくてもいいとわかって……とても嬉しかった。幸せだった。

もっと塚本さんの事が知りたい!心も身体も、もっと塚本さんに近付きたい!

そう、強く思ったのだ。