連絡は、やっぱり私の方からする事がほとんどだが、きっかけがあれば私が何のために連絡をしてきたのか察してくれるようになった。

職場で顔を合わせる事と、二人で会う事は別物だと、塚本さんも多少は理解してくれたようだ。

特に予定がなければ、二人で会う事も当たり前になりつつある……はずだ。

だいたい日曜日に、塚本さんと会う事が多い。お昼を済ませて、午後一時に待ち合わせ。

私の自宅から近い公園の駐車場が、待ち合わせ場所だ。

塚本さんの車の助手席に乗って、出発する。……新車の匂いは、もうほとんどしない。

お気に入りの書店に行ったり、映画を見たり、ショッピングモールをブラブラしたり……

特別なイベント等がなければ、そんな感じ。

夕食を二人で食べたら、あとはする事がなくなってしまう。翌月曜日から一週間が始まると思えば、あまり遅くなる事もできない。

そうして待ち合わせた駐車場に送ってもらい、塚本さんと別れる。

実に健全なお付き合いではないだろうか。


三度目のデートの別れ際。

「ありがとうございました。塚本さん、気を付けて帰ってくださいね!」

小さく頭を下げながら、お礼を言った。