キスの意味

フッと短く息を吐く。

「でも、気が付けば、ドキドキと心臓が苦しくなったり、ザワザワと心が落ち着かなかったり・・・」

私は、肩を竦めて笑った。

「塚本さんの香りには、かなり乱されました。『猛々しい水』に、私の心が打ちつけられて・・・塚本さんに、恋しちゃいました」

「・・・」

無言で前を見つめている塚本さんの横顔に、私は寂しく微笑んだ。

「ごめんなさい。私、伝えたかっただけですから。塚本さんは、忘れてください」

覚悟はしていたつもりだけど・・・やっぱり、ツラい・・・また、涙が溢れそうになってしまう。

赤信号で車が止まる。塚本さんが、身体を捻って私の方を見る。

「水野君に、ずっと言いたい事があって」

「・・・はい」

「俺、誰とも付き合ってないから」

「・・・はい?」

「白石さんと俺は、付き合ってない!宮前に聞いて、誤解してたよね?」

「えっ⁉はい・・・でも・・・」

塚本さんの突然の言葉に、混乱している。「付き合ってない」?!でも、私見たのに・・・?