キスの意味

「まったく・・・信用ないな!」

眉根を寄せた藤田さん。

「あのっ!どういう事ですか?」

私が声を上げると、藤田さんは、私を真っ直ぐに見た。

「沙映の事、騙したようで悪かった!尚と話をして、ちゃんと付き合うようになったから」

「っ!よかったです~!」

私が満面の笑みを浮かべると、藤田さんも優しく笑った。

「沙映のおかげだ。ありがとう」

よかった!本当によかった!!

「これから、尚と会うんだ。沙映、悪いけど詳しい事は塚本に聞いてほしい。塚本、沙映の事を頼む」

藤田さんは、塚本さんに向かって頭を下げた。

「わかりました」

塚本さんが頷く。

「お疲れ様!お先に!」

藤田さんが、私達に背中を向けて歩き出した。

「尚子さんに、今度飲みに行こう!て伝えてください!」

「了解!」

藤田さんが、少しだけ振り返って左手を上げた。

あっという間に、藤田さんの後ろ姿は見えなくなった。