今まで見ないようにしていた、気付かないフリをしていた、本当のワタシの気持ち――

塚本さんが、好き・・・!!

「フフフ」

一人で思わず笑ってしまう。

自分を守る為に、必死に気付かないフリをしていたのに。認めてしまえば、なんて気持ちが軽くなったのだろう。

なぜ?と思っていた苦しい想いも、塚本さんへの想いを認めてしまえば、簡単だ。

いつから?たぶん、初めて会った時から、私は塚本さんに惹かれていたのかもしれない。

塚本さんみたいな人を好きになったら大変だ。片思い決定的だし・・・どこかの可愛い女の子が、塚本さんと親しそうにしているのを見るたび、胸がチクンと痛くなる。

だから、『私は恋愛対象外!』と自分の心に線を引いたんだ。これ以上、塚本さんに近付かないように・・・

でも、結局『幼馴染みみたい』なんて、自分に都合のいいポジションを見付けて、近付いてしまった。

『兄妹』にしなかったのは、きっと無意識のうちに思ったんだ。一般的に、お兄ちゃんの事は好きにならないって・・・

自分で気付かないうちに、少しずつ育ててしまった“ 恋心 ”は、解放してあげないと、いつか弾けてしまう。