土曜日、午後1時45分―

私は、真尋の指定した隠れ家カフェに到着した。

午前中は休日出勤をして、12時になったら、すぐに職場を出た。途中のコンビニで昼食を買い、そのまま、駐車場で食べた。

今回は道に迷う事もなく、すんなり辿り着く事ができた。

今日ばかりは( いや、いつもだが )絶対に、遅刻できないと思った。早く2人の顔を見て、言葉が聞きたかった。

教祖様に会う、信者みたい・・・と、一人で苦笑した。

カフェに入ると、優しい笑顔の店員さんが出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ!」

「あの、待ち合わせなんですけど・・・」

「失礼ですが、お連れ様は 尾木様 でいらっしゃいますか?」

「はい、そうです!」

「伺っております。こちらへどうぞ」

と、前回来店した時にも座ったテーブルに案内してくれた。

この席は、奥まった所にあるので、店内から見ても目立ちにくい。周囲にテーブルもあまり置かれていないので、周りを気にせず、ゆっくり話ができる。そばに大きな窓があるので、暗い感じもしない。

注文は、みんなが揃ってからすると伝える。テーブルの上に、お水のグラスとメニューを置くと、店員さんは、優しい笑みを残して離れた。