個性的な面々が揃った営業一課の中で、『普通の人』川村さん。年令は、ちょうど30才。同い年の奥様と、2才になった奥様似の可愛い男の子がいる。以前、ケータイの写真を見せていただいた。

その『普通の人』な感じが、なんか安心感を与えてくれる。とても聞き上手で、仕事の愚痴をほとんど言わない塚本さんも「いやあ、参りました」なんて、川村さんだけには話している。

私が思うには、あの国民的アニメ『サ○エさん』のだんな様『マ○オさん』が、川村さんのイメージ!眼鏡かけてないし、川村さんの方がカッコいいけど。

そばに塚本さんみたいな人がいると、『普通にカッコいい』川村さんが、だだの『普通の人』に見えてしまうんだよな~

川村さんと話しながら、そんな事を思っていたら、ちょっと目が覚めた。あれ、宮前さんの話ってなんだったんだろ?

ちょっと気になったけど、まっ、いっか。トイレにも行きたいし、そろそろ行かなきゃ。

「お先でーす!」と腰を上げた。

そんな私の事を、宮前さんが複雑な表情で見ているなんて、全然気が付いていなかった。