私の話を、ただ静かに聞いていた千晶。唇をはむはむされた事とか、最後にペロッと舐められた事は、恥ずかし過ぎて言えなかった。私が話し終ると、フーっと息を吐いた千晶。

「沙映、そんなに溜まってるの?」

「っ!?」

何が溜まるというの!?私、一応女子だよ!

「・・・私の夢、妄想だと?」

「それ以外に、考えられない」

千晶にキッパリと言われ、自分の記憶に、ますます自信がもてなくなる。

「やっぱりそう思う?」

「つかもんとは、昨日が初対面だったけど。沙映から聞いてて、思っていた通り、いや、思っていた以上に!つかもん、“ いいヤツ ”だったよ・・・」

「・・・そうだね」

千晶の言葉に、私も頷く。塚本さんが“ いいヤツ ”なのは、間違いない。

「あ・の・つかもんが、酔っ払ってぐでんぐでんの沙映に、キスをするなんて、考えられない!」

う"っ!・・・ぐでんぐでんは、千晶も一緒だったでしょ!私も、千晶と同じ意見。その前後の記憶も曖昧で・・・ていうより、飛んでいる?て感じなのに・・・“ あの事 ”だけの記憶は、やけに鮮明で・・・そんな都合のいい記憶、不自然だよね。