頬を、ツツッと温かいものが伝う。何だろうと、ぼんやりと思っていたら・・・

唇に、柔らかくて、温かいものが触れた。それは、ほんの一瞬の出来事だった。

・・・気のせい・・・だったのかな・・・そう思って、また、意識が沈みかけた時、今度は、しっかりと感じた。唇に、柔らかくて、温かいものが触れたのを・・・

先ほどは、一瞬触れただけだったけど、今回は違った。グッと強く押し当てられているように感じる。少しすると、離れ、また強く押し当てられて・・・その繰り返しが続いた。

私は、酔ってはっきりしないうえに、眠くてぼんやりした頭で、それでも何とか考える。

この感触は・・・唇・・・?私、塚本さんに、キス、されているの?・・・

そんな事、あり得ないよね・・・?うっすらと目を開けると・・・まつ毛が触れそうなくらい目の前に、塚本さんの顔があった。

なんで塚本さんは、私に、キスしてるんだろう・・・?実感がわかないまま、ボーッと塚本さんを見ていたら、唇が離れた時、伏せられていた視線が上がり・・・

目が、合ってしまった。すると塚本さんは、フッと薄く笑い、私の唇に塚本さんの唇を、再び重ねた・・・