まともな意識ではないが、私が塚本さんに大変な迷惑をかけてしまっている事は、よくわかっている。

それでも、いつもと同じように穏やかに微笑む塚本さん。心の中がフワッとあったかくなるような、それでいて、キュッとせつなくなるような、そんな自分でもよくわからない気持ちでいっぱいになる。

キツい冗談も言ったけど、可愛くない態度もとったけど・・・塚本さんにずっと伝えたい想いがある。

私は、塚本さんを見つめながらニコッと笑う。今の私の状態を考えると、やっぱり、ニヘラとなってしまったかもしれないが。

「つかもん、いつも、ありがとうございやす!わらし、つかもんのこと・・・」

思いつきで言ってしまったので、うまく伝えられたかどうか自信はないけど・・・

塚本さんは、びっくりしたように目を見開いた後、私が知っている中では一番の、穏やかで優しい微笑みを浮かべた。

よかった・・・きっと、伝わったよね。

私は安心して、再び、ゆっくりと目を閉じた。ここがトイレだという事も、すっかり忘れてしまっていた。

久々に身近に感じる塚本さんの香りを、スッと吸い込んで、ゆっくり意識が沈んでいった時・・・