一瞬で想像できてしまい、ボンッ!と効果音がつきそうな勢いで、顔が熱くなる。

にっ、逃げなければ・・・!これ以上は、いろんな意味で心臓がもたない・・・

自分ではっきりと自覚できるくらい、急激に顔が熱くなった。きっと私は、真っ赤な顔をしているだろう。それでも、妙な意地だけで藤田さんを見上げれば、またもや、片方の眉を上げ、今度は意地悪そうな笑みを浮かべた。

「妄想だけで、そこまで赤くなれるのか。ちょっと、ムカつくな」

人差し指で頬をなぞられ、息が止まる。

膝の力が抜けるのと、腕の下には空間があるはず!と思ったのが、ほとんど同時だった。

私は、背中を壁で擦りながらズズッとしゃがむ。突然の私の行動に「おっと」と言いながら、藤田さんも一歩退く。

藤田さんに閉じ込められていた空間から、私は這い出るようにして抜け出した。

両手で身体を支えるように座ると、藤田さんを見上げる。

「むぅ・・・」と唇を尖らせながら、眉間にシワを寄せて、藤田さんを睨む。

藤田さんも、苦笑しながら腰を下ろす。

「まさか、逃げられるとはな」

「壁ドンの相手、間違ってます!」

藤田さんが、目を見開く。

「藤田さんが本当に壁ドンしたい相手は、尚子さんでしょ!?」