午後7時過ぎ、職員専用駐車場から高野主任を私の愛車に乗せ、目的地に向かって出発した。

私がよく向かう、お気に入りの本屋さんがあるのとは、違う方面の街。

会社から、30分程車で走った。

この街にも、ショッピングセンターとか食べ物屋さんとか、いろいろあるけど、あまり来ないから、よく知らない。

方向音痴は、新しい場所を開拓するのは苦手です。なんせ、来た道が戻れないからね。すぐに迷子になっちゃう。

駅に近い所に、ショッピングモールがあって、そこの駐車場に車を止める。

確か、2年くらい前にできたはず。一度、行ってみたいと思ってたんだ。

高野主任についていく。今日は、誰と飲むのかな?結局、高野主任と2人だけで、ここまで来た。

高野主任が何も言わないから、私も何も聞かなかったけど・・・

2階のお店に入る。

「いらっしゃいませ!」

エンジ色の作務衣を着たお姉さんが、出迎えてくれた。

「高野で予約してあると思うけど」

カウンターで確認して、お姉さんが案内してくれる。

「ありがとうございます。お連れの方も、いらっしゃってます」