薄いシャツ越しだが、塚本さんの体温が、しっかり伝わってくる。

結構お気に入りの塚本さんの手を見ながら、右手、顔、全身と、どんどん熱を帯びていく。

私と塚本さんって、こんなに距離が近かったの・・・!?

鬼ごっこで手をつないだ、脇腹をモミモミした、ストレッチの時に背中に乗った、勝手に塚本さんの靴を履いた 等々・・・

今まで、塚本さんに対して私がやってきた事を次々と思い出し、頭の中が沸騰しそうだ。

何とも思っていない女子に、あんな風に接触されて、塚本さん、どう思っていたんだろう?本当は私の事『馴れ馴れしいヤツ』と、呆れていたのかもしれない・・・

「塚本さん・・・」

絞り出した声は、掠れてしまった。

「ん?」

手元を見ていた目線を私に向け、穏やかに微笑む。

「っ!・・・ありがとうございます。もう大丈夫です」

見慣れたはずの微笑みに、いつも以上の威力を感じる。

「そっか。じゃあ、反対の手もしようか」

「いえ!右肩は、こってません!」

塚本さんが力を緩めたので、慌てて右手を引き、首をブンブンと横に振る。

賑やかな心臓の音、手を通して塚本さんに伝わってしまいそう・・・