ーー昨年と、同じ組み合わせになった決勝戦

1ー2で敗れ、うちのチームは準優勝となった。得点差だけを見れば「惜しい」とも言えるが、得点差以上の実力の差を、野球中年達は感じているようだった。

試合後、珍しく口数が少なくなっている。

閉会式があり、開会式の時に返還したトロフィーを、再び受け取る。

チームみんなで記念写真を撮る頃には、それでも、だいぶいつもの調子が戻ってきていた。

気が付けば、誰が白石さんの隣におさまるかで、バトルが勃発していた。

「そろそろ、いいでしょうか~?」

カメラを構えた人から、苦笑まじりに声がかかる。

「もう、雪乃ちゃんに決めてもらおう!」

高野主任の一言で、野球中年達の視線が、白石さんに注がれる。

「えっ!・・・」

眉尻を下げ、小首を傾げた白石さん。

可愛い・・・

「雪乃ちゃんが決めてくれたら、みんな恨みっこなしだから、遠慮なしに!」

高野主任が言い、固唾をのんで白石さんを見る野球中年達。

なんだ、この緊張感・・・
呆れるのを通り越して、笑えてくるよ。

「では・・・川下監督!」

と、ニッコリ微笑む。