「みなさんが、野球場の方に移動しようかって・・・」

「そう・・・」

私は、そっと俯く。目の前にあった塚本さんの広い背中が、急に遠くなってしまった。

「水野さん、お昼はごめんなさい。おかげさまで、賑やかにお弁当をいただきました」

「私の方こそ、本当にごめんなさい」

白石さんの顔が見たくなくて、俯いたまま、ペコッと頭を下げた。

「尚子さんに所に、行ってきます」

それだけ言うと、芝生広場の中に向かった。