キスの意味

「相田 久美 ( あいだ くみ ) 24才、受付。去年の大会のうちのお世話係」

またもや尚子さんが、私に聞こえるくらいの声で囁く。

ほんとに女子社員のレベルが高い。白石さんとタイプは違うけど、やっぱり可愛い。

活発な感じで、尚子さんタイプかな?

「久美ちゃんに会えなくて、寂しかったよ」

「もう、津村主任てば!白石が担当で、テンション上がったでしょ!?」

周りからかけられる声に笑顔で返す相田さん。

「雪乃ちゃんも可愛いけど、久美ちゃんも可愛い!」

目尻を下げる高野主任。
こんな可愛い女子ばかりだったら、確かに、はりきっちゃうよね。でも、単純というか、なんというか・・・

「今回は、みなさんのお世話係、白石に譲りました」

チラッと横目で白石さんを見る相田さん。

その視線が意味ありげに感じるのは、私だけだろうけど・・・

「お弁当とお茶をお渡ししまーす!」

白石さんが少し声を張ると、野球中年達がワラワラと近付く。

お弁当と紙パックの緑茶を配る、白石さんと相田さん。

「なんであんなに嬉しそうなんだろうね?」

と、尚子さん。私も、苦笑しながら頷いた。