「受付の時に対面したんだけど・・・」

白石さんの周りで、はしゃいでいる野球中年達を、目を細めながら見る尚子さん。

「たぶん彼女、私より背が高いよ」

「ほんとに!?」

「今日は踵の高い靴は、履いてないよね。170㎝は、あるんじゃない?」

バランスがいいせいか、そんな風に見えない。うっ、羨ましい・・・!ちょっとぐらい、わけてもらえないかな・・・

「ちっ!いいモンもってるな」

「尚子さん、お下品ですわよ!」

「あら!わたくしとしたことが・・・」

わざとらしく口元に手を当て、小首を傾げる尚子さん。
2人で、顔を見合わせて笑った。


Bゾーンでは、うち以外の2チームが一試合目をするので、空き時間になった。

一番上の野球場から少し下りた所に『芝生広場』というのがあり、白石さんに先導されながら着いた。

テントが何張りか張ってあり、ここが今日の各野球チームの休憩所となるそうだ。

テントの下にはブルーシートが敷いてある。みんなが荷物を下ろし、スパイクを脱いで、ブルーシートの上に座る人もいる。

今日は天気はいいが、爽やかな秋風が吹いている。日陰にいたら、快適に過ごせそうだ。