それから少しして、開会式が始まった。

出場チームは、主催者チームも入れて 8チーム。

4チームずつ、2つのゾーンに別れてトーナメント戦を行う。
そこから勝ち上がった2チームで、決勝戦を行う。
3位・4位決定戦も行うそうだ。

うちのチームは、Bゾーン。

Aゾーンは、この野球場で試合をするが、Bゾーンは『多目的広場』の方で試合をする。

開会式が終わった後、みんなでワラワラと移動していたら、声をかけられる。

「開会式、お疲れ様でした!」

ほ~・・・と、溜め息を吐いてしまうようなきれいな人が、発泡スチロールの箱を載せた台車を押しながら、近付いてきた。

長い艶やかな黒髪は、一つにまとめられている。透き通るような白い肌、小さな顔に、目・鼻・口とバランス良く配置されている。ジャージに、無地のTシャツ、パーカーと、今日に合わせたおしゃれとは言えない服装も、彼女のスタイルのよさを隠す事はできない。

『清楚』とは、彼女の為にある言葉かも・・・そんな事を思ってしまう雰囲気を、彼女は持っていた。