顔を覗きこむような仕草をしながら、尚子さんに聞かれる。

「はい」

私は、コクンと頷く。

尚子さんは、少し目を見開いてから、右手をジョッキを持つ形にして、グイッと飲む仕草をする。

「水野さん、いけるくち?」

何か見た事ある光景だなあと思いながら、私は、顔を前に出すようにして、低い声で答える。

「はい、かなり」

尚子さんは、プッと吹き出した。

「いい!!水野さん、いいわぁ!」

私は、ヘヘ・・・と笑う。

「初対面のおじさん達と、飲む気満々なんて・・・」

「だからです」

ん?と、尚子さんは、小首を傾げる。