腕に力を込めながら、2階の資料室を目指していると、外から帰ってきた、塚本さんにバッタリ会う。

「お疲れ様です!」

「資料室?」

私が抱えているファイルを見ながら、塚本さんが訊く。

「はい」

私が答えると、塚本さんは、私が持っていたファイルを、上から2冊取り上げる。

「あっ!・・・」

持っていた鞄を土台にするように持って

「見ていて、危なっかしい」

と、先に立って歩き始めた。

「ありがとうございます!」

私も、慌てて後を追う。

やっぱりこういう所、優しいよな・・・

思わず「フフ」と口元を緩めながら歩いてしまう。

資料室に入ると、塚本さんが持っているファイルの上のパンフレットを見ながら

「二課のパンフレット?」

と訊かれた。

「はい。30部ずつ頼まれました」

「了解」