私は頼んで、今日から10月いっぱいの1ヶ月間を、私のお茶当番にしてもらった。

その方が、みんなの好みをすぐに覚えられるし、私は、この時間が結構好きだったりする。

学生の頃からカフェやレストランでバイトをしていたせいか、こういう事が苦にならない。

コーヒーやお茶の香りに包まれると、とても癒されて、仕事中のよい気分転換になる。

みんなの持参した、様々なマグカップが並ぶ。

その特徴も、簡単にメモをしていく。

その中で、どうしても気になるマグカップがある。

「塚本さんのマグカップは、なぜキ○ィちゃんなんですか?」

思わず丸岡さんに尋ねると、丸岡さんも薄く笑う。

「あ~・・・なんか保険会社かどっかから、もらった物らしいんだけど。ずっと自宅に持って帰るのを忘れてて、置きっぱなしになってたの。そしたら、塚本君のカップが欠けちゃって。「じゃあ、これ使います」て、渡されたの」