キスの意味

優しくて、明るくて、男女問わず友達もたくさんいた。

彼の笑顔は、太陽みたいだった。

その笑顔を見ているだけで、元気になれたし、暖かい気持ちになれた。

どうして私なんかと付き合ってたんだろう?

その時もわからなかったけど、やっぱり今でも謎だ。

「彼なら、私なんかより、ず~っとすてきな人と付き合えますから!」

塚本さんを見つめながら、強い口調で言う。

「『私なんか』てすぐに言うのは、水野君の悪い癖だ」

薄く笑いながら、塚本さんに言われた。

「っ!」

正直に話すんじゃなかった!!

今日は塚本さんに、やられっぱなしの気がする。

俯いていると、塚本さんの低い声が響いた。