「ま、迷子って……。わたし、子どもじゃないんだけど!」 嬉しいくせに。 仁ちゃんと手を繋いでるっていう事実に、恥ずかしい気持ちの方が勝って可愛くないことしか言い返せない。 あー……。 もっと、素直になれたら。 可愛いコだったら良かったのに。 「ウソだよ。本当は……俺がこうしたかっただけ」 「えっ……!?」 それって……どういう。 「俺」 ーードキン 手を握る力が強まったかと思うと、さっきまでの照れくさそうな仁ちゃんは姿を消していた。