だけどさ、でも。 なによー、笑うことないじゃん。 助けてくれたっていいのに。 やっぱりわたし達は、仲の良い友達っていう関係からいつまでも抜け出せないのかな……。 嫌なのにな。 ……バカ。 ギュッ ムーッと唇を尖らせた瞬間、手に何かが触れて。 それは一瞬でわたしの小さな手を包み込んだ。 「え?」 な、なんで……? 手、手が……! 仁(じん)ちゃんの手がっ! 「じ、仁ちゃん……?」 あまりにもビックリして、わたしは隣にいる彼を見上げた。